コンテンツへスキップ

カート

カートが空です

2023年の振り返りと来年のこと

renacnatta代表の大河内 愛加です。

2023年も残すところあと4日となりました。今年もrenacnattaをご愛用くださったみなさま、ありがとうございました。


今年も1年を締め括るマガジンとして、この1年間に出したアイテムを振り返っていきたいと思います。今年はバッグ、ホームアイテム、ジュエリー、日傘など、これまでの洋服とは違うジャンルのアイテムを多く企画した挑戦続きの1年でした。

最後には来年のこともちらりと書いていますのでぜひ最後までお付き合いください。


今年の振り返り


杞柳細工【1月】

1月に数量限定で販売したKiryu-zaiku Basket。杞柳細工の産地の豊岡市に何度も足を運び、職人さんや地元の但馬信用金庫さんと対話を重ねましたが、これまで関わってきたどの伝統産業よりも、危機に直面しているという印象を受けました。

1200年の歴史と皇室でも愛される工芸にもかかわらず後継者不足がとても深刻でいつまで続くかわからない。さらに今の杞柳細工はカジュアルなアイテムとして安価で市場に出ていることが多く職人さんに対等な賃金が支払われていないこともしばしばという状況を目の当たりにし、レナクナッタではまず価格を見直し、職人さんへの適切な賃金のお支払いを目指しました。

価格に見合う質やデザインにこだわり抜いた結果、想定よりも多い追加受注を受けることができ、職人さんにもとても喜んでもらいました。兵庫県の新聞にも多く取り上げていただき、地元の方に注目していただけたのも嬉しかったです。

この取り組みはForbes JAPANでも取り上げていただきました。
「1200年続く伝統を残す」カルチャープレナーの未来の書き換え方

パートナーの山本さんへのインタビューはこちらから。
美しき「豊岡杞柳細工」を現代にアップデートし、未来につなぐ。Kiryu-zaiku Basket | renacnatta STORY


金彩【3, 12月】

昨年までイヤアクセサリーとしてさまざまなデザインを展開してきた金彩のコレクション。今年はイヤアクセサリーをおやすみし、ポシェットとヘアリボンを展開しました。

Kinsai Pochetteはイタリアのデッドストックシルクを使い、金彩を施す面積がこれまでで一番大きく、レナクナッタのKinsaiの世界をより楽しんでもらえるアイテムとなりました。

そして12月に出したKinsai Hair Bow。クリスマス販売に合わせた商品だったため、「クリスマス」から思考を飛ばしてキリスト教の聖職者たちがミサなどで纏う祭服をインスピレーションにしました。

普段、友禅の着物などに施される金彩のイメージを覆し、レナクナッタらしくイタリアの要素と自然に溶け込む意匠を意識してアイテム開発を進めました。


西陣織【4月】

今年ははじめて綿の西陣織に挑戦しました。通常、西陣織は絹、もしくはポリエステルの糸で織られるので綿糸で織るというのはとても珍しいことです。綿は糸が切れやすかったり、毛羽だって工場がほこりだらけになったりとデメリットが多いからだそう。そんな中、挑戦してみたかったので一緒にやってみましょうと言ってくださったのが加地金襴さん。

光沢のないマットな織、そして絹やポリエステよりちょっと太めの糸で温かみのある表情に。そして私の「イタリアで見た朽ちたフレスコ画を表現したい」という無理難題に何度も何度も試作を重ねてくださり、デザイン、質ともに最高の生地ができました。これをスカートと日傘に。日傘は現在もプレオーダー受付中です。(春のお届けです。)

パートナーの加地金襴さんへのインタビューはこちらから。
西陣織で「朽ち」を表現する新たな挑戦。Nishijin High Waist Corset Skirt & Parasol | renacnatta STORY


丹後ちりめん【4, 11月】

昨年から登場した丹後ちりめんのコレクション。春にはレナクナッタ初のワンピースが誕生。SNSの私の個人アカウントを見ている方はご存知かと思いますが、春から秋までずっとこのワンピースを着ていました。(笑)

普段着、友人の結婚式、インタビュー、登壇、どのシーンでも本当に便利で...。私自身の妊娠にも被り、体型カバーとしても重宝しました。このワンピースをデザインした時は妊娠の気配もなかったのですが、まさかつくってすぐにマタニティでこんなに活躍するとは思いませんでした。来年の春頃、また再販をする予定です。

そして秋には去年、大好評だったマーメイドのスカートの色違いが登場。個人的にも念願のモノトーンのスカートを作りました。こちらもシンプルな単色に染めたことで丹後ちりめんのシボ(凹凸)が浮き出る、シンプルながら個性的なアイテムになりました。来年はこればかりを着てしまいそうです。

パートナーの臼井織物さんへのインタビューはこちらから。
丹後ちりめんの伝統と新たな可能性を纏う。Tango Mermaid Wrap Skirt | renacnatta STORY


漆【6月】

パールに漆を施したレナクナッタ初のジュエリーを作りました。これまでの金彩イヤアクセサリーでは使っていないK18のパーツを使用したり、質の良いアコヤパールや有核淡水パールを使ったのでこれまで展開していたアクセサリーよりもラグジュアリー感の高いものとなりました。

シンプルだけど他の人がつけているパールアイテムとはデザインが被らないところが個人的にツボです。出かけるときにはほぼ毎回つけていました。

淡水パールの「Bicolor Baroque Pearl Earrings」は常にサイトにある定番アイテムとなっていますので、ぜひプレゼントや自分へのご褒美など特別なタイミングでお迎えいただけたら嬉しいです。

パートナーの佐藤喜代松商店さんへのインタビューはこちらから。
パールに「金継ぎ」の精神を宿すジュエリー。Urushi Collectionが繋ぐものとは | renacnatta STORY


焼箔【7, 9月】

2023年2月に焼箔の工房を見学した際、私が一目惚れをして、急ピッチでアイテム開発が始まったこの焼箔のコレクション。レナクナッタ初のホームアイテムとしてアートパネルを展開しました。その2ヶ月後には同じく焼箔を使ったマルチスタンドも登場。

アートやマルチスタンドは服とはまた違うお迎えするタイミングやテンションがあるものだと思います。これも常時販売アイテムとなりますので、空間に新しい空気を纏わせたい方、ぜひご検討ください。

パートナーの西村商店さんへのインタビューはこちらから。
「侘び寂び」を空間に纏わせる。西陣織を支える「焼箔」を再発見するホームアイテム | renacnatta STORY


宮殿師【9月】

普段お寺の本堂や神輿をつくる宮殿師さんと作ったコンポート皿。器のデザインはもちろん初めてでしたが、寺院に見られる特徴的な建築様式をふんだんに取り入れつつ、ヨーロッパの住宅や蚤の市に置いてあったとしても違和感のないデザインに落とし込むことができ、満足の出来です。

ポプリを置いたり、ジュエリーを置いたり、マルチに使っていただけますが、なんといってもホールケーキが映えます。

今回この受注会には私は参加できずお客様の反応をあまり見られなかったのですが、後日これを買ってくださったお客様から「一生かけて愛でれるお気に入りのものになりました」というメールをいただき、大変嬉しかったです。

こちらは受注生産アイテムだったのですがウナテ工房さんのご好意により常時販売アイテムになりました。お寺の装飾美を感じられるアイテムです。

パートナーのウナテ工房さんへのインタビューはこちらから。
「お寺の装飾美」と「ヨーロッパ文化」が融合したコンポート皿ができるまで | renacnatta STORY


デッドストック【8月】

イタリアで仕入れたデッドストックのシルクを使ったこちらのロング&ベストセラーのスカートですが、今年もリバーシブルではない、シルク単体の巻きスカートにてお届けしました。

来年はリバーシブルも登場予定です。残念ながら色々資材や縫製の金額もあがり、今までよりも少しお値段が上がる予定です。ただ、全て1点ものとなりますので特別感のあるアイテムとしてお迎えいただけたら嬉しいです。

------------

今年のもう一つの挑戦はショールームのオープンでした。関西圏にお住まいで来てくださった方、京都に出張や旅行の際に時間をつくって寄ってくださった方、ありがとうございました。

今年最後の方は私自身が接客したかったのですができない時が多々あり、現在は一時的にクローズにしていますが、また春からオープン予定ですのでぜひお立ち寄りください。(再開するときはSNS、LINE、ニュースレターでお知らせします。)


来年のこと

今年は新しい取り組み先が6社増えました。みなさん、レナクナッタのお客様にいいものを届けようと一緒に奮闘してくださいました。心より感謝です。

来年は新しい取り組み先を増やすというよりも今、関わりのある伝統産業の方達とのものづくりをより深めていきたいと思っています。2024年もレナクナッタの展開を楽しみにしていただけると嬉しいです。

さらに来年は販売だけでなくイベントもいくつか企画しています。文化を「纏う」だけでなく「聞く」「触れる」機会を増やしたいと思っています。職人さんと直接話せたり、生産しているところを見たりなど、実際に体験することで、今持っているレナクナッタのアイテムにより愛着を感じていただけるような機会を作っていきたいと思っています。まだ企画を練っている段階ではあるのですが、ぜひ告知を待っていてください。

来年も文化を纏って華やかな年にしましょう。

本年も大変お世話になりました。みなさま、どうか良いお年をお迎えください。
2024年も株式会社Dodiciとrenacnattaをどうぞよろしくお願いいたします。

大河内愛加

関連記事